車中泊生活/河辺たけひろの『暮らしをもっと不便に!』Vol.78
僕は一時期、半ば車中泊の生活をしていたことがあります。
例えば1週間ぐらいの間、あちこちの現場を回りながら車中泊生活をして、週に1度ぐらい自宅に戻る、みたいな(^^)
この話、たまにうちのスタッフやお客様にすることがあるんですが、
当時の写真とかないのかなー、と思って探してみたら、
ありました、ありました!!
この時期に、ボクはある意味、生き物として少し強くなった気がします(笑)
「脳みそが開く」という感覚も味わいました。
時は2014年〜2017年ごろの話。
まぁ、「車中泊生活」というよりは、「車中泊の旅」という方がホントは正確かもねー。
タレントのリリコさんとは違って、何年もの間、車中泊だけだった、っていうワケでもないから。
でもボクの場合、車で寝泊まりしてただけではなく、
車の中で自炊していた、っていうところがスゴイところ!(笑)
しかも、キャンピングカーとかでもなく、ちっちゃい軽自動車の中でね!
元々アウトドア的な遊びは好きだったんだけれども、
せまーい軽自動車の中では、
寝床を作ることももちろん、自炊をするのもなかなかの工夫が必要。
しかも、仕事の道具、
掃除の仕事と、包丁研ぎの仕事を両方やっていた時期もあるので、
結構な量の荷物を積んだ状態で寝床を作り、メシを作る。
もちろんいろいろな制約があるので、自炊と言っても作れるものも限られる。
アウトドア用のコンパクトなカセットコンロで、ちくわをあぶったり、
鍋でうどんを茹でたり・・・
もっぱらそんなものが多かったかな。
もちろん車を停める場所を決めたら、晩酌もね♪
この頃にはすでに冷蔵庫のない暮らしを始めていたので、
クーラーボックスだとかそんなものは使っていない。
食材は常温保存。
肉などは塩漬けで保存したおいたものを使う。
そんな食材の活用方法もいろいろ編み出しましたね〜(笑)
塩漬け肉の保存性のスゴさも実感した。
なにせ、真夏の炎天下のクルマの中に入れっぱなしにしておいて腐らないんですから!
いや〜、あの時期、とても楽しかったなぁ。
うちのスタッフもまだ誰もいなくて、一人で掃除の仕事とかしていた時代。
なにせまだ離婚した直後で、独り身の自由を完全に謳歌していた時代ね(笑)
街中ではコインパーキングを使うことも多かったけど、
時には自然の山の中で車を停めて。
こういう日々を連日過ごしていると面白いのが、
「脳みそが開く」という感覚を味わうのですよ。
アウトドアだから、という要素もあるけれど、ボクがとても実感したのは、こんな感じ。
「狭いクルマの中で」
「料理をするワケだから、ナイフも使うし火も使う」
「他の荷物もあるから、調理の台とかもかなり不安定な状態」
「しかも飲んでるから、ちょっとでもヘタしたら熱い鍋とかクルマの中でひっくり返しそう(笑)」
つまりね、かなり「気を付けなきゃいけない状態」、
なのです!!
とかく現代の生活は、「便利」で「快適」、「安全・安心」・・・
巷には「安全装置」で固められた道具や設備・・・
キッチンのガスコンロでさえ、安全装置が効いてて勝手に火が消えたりする。
「気を付けなきゃ」という、本来生き物が持っている感覚がどんどん失われていく。
ところがこの「気を付けなきゃ」の感覚をかなり鋭敏にしないといけない状態に身を置くと、本来の「動物的感覚」が目を覚ます感じがするのです!
これが「脳みそが開く」という感覚。
まぁ他にもいろいろ、「脳みそが開く」状態にする方法もあるのでしょうけど、最近はこのことを思い出して、「プチ車中泊旅」とかもやってみたりしてます。
懐かしい(笑)
どうしても現代的な日々の暮らしでは、ストレスも多くなりがちだし、
本来の動物としての感覚を閉じてしまいがち。
本来「人間」って、自然界に生きている「動物」ですからね!
その感覚をなるべく時々思い出しながら生きていきたいものだと、
この文章を書きながら、改めて思います。